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先程申しましたように、タイムダラーは少ない予算でより効果的な仕事が出来ます。また、専門的な仕事を生み出します。例えばマイアミではタイムダラーのサービスを活用して保育園を経営していますし、高齢者の人達のデイケアもタイムダラーのサービスで経営しております。アメリカでは今年(96年)の8月に福祉改正が法案として出ましたが、ウィスコンシン州、フロリダ州では福祉改正にタイムダラーを活用しようとしていますし、オクラホマ州ではタイムダラーを高齢者の活動の1つとして取り入れようとしています。
今、私はアメリカの或る生命保険会社の調査に携わっておりますが、介護保険の中にタイムダラーを取り入れようと検討していることです。
●タイムダラーは才能を引き出して活動する
ボランティアにはジェンダーのギャップはありません。男であるから女であるからというギャップもなく、先ずは1人ひとりが人間であるという基礎にボランティアは立っております。
タイムダラーの中では1人ひとりの才能を引き出す役目もします。例えば銀行マンや行政マンであってもそれ以外に必ず才能があるはずですし、男性女性それぞれの中から1人ひとりの才能を引き出す力を持っています。タイムダラーを通じて異業種の人達が一緒に活動する事によって、それが地域を動かす強い力になると思っております。
●タイムダラーを形成するステップ
クイムダラーは一体どのようにして形作っていくのか、そのステップについてお話したいと思います。3つのステップがあります。
(1)専門家による協議会の結成。
先ず第1のステップは地域にいる専門家の人達、例えばコミュニティセンターにいる専門家、行政ですと市長などにも関わって頂いていいかと思います。それから病院で働いている看護婦・ソーシャルワーカー・生命保険会社にいる専門家の人達などに集まっていただき協議会を作ります。そして協議会の中にコミュニティ委員会を作ります。
?ボランティア基金を集める「基金集め委員会」
?地域を十分に調査をし、どのようなメニューが必要かを知るための「マーケティング(市場)調査委員会」
?常にボランティアを募集する「リクルート委員会」
?ボランティアグループの「規則を作る委員会」
?ボランティアの活動を一般の人達に広報する「パブリックリレーションの委員会」
?ボランティアを訓練する「養成のための委員会」
(2)ボランティアグループの目的。
目的を作る前に地域の市場調査(マーケティング)を致します。その後で一体この地域にはどんなサービスが必要か、また、ボランティアはどのようなグループにする必要があるのだろうか。年令はどの層がいいだろうか。高齢者がいいのか、若い人達がいいのかを決めます。

 

 

 

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